税金

予定納税の第1期はいくら払う?7月31日までにやること【減額申請は7/15まで】

6月の中旬、税務署から「予定納税額の通知書」が届いて驚いていませんか。「確定申告は済ませたのに、また税金?」「何かの間違いでは?」そう感じる方が毎年たくさんいらっしゃいます。特にフリーランス1〜2年目で初めて通知を受け取った方は、金額の大きさに不安になりますよね。

結論からお伝えすると、予定納税は追加の税金ではなく、来年の確定申告分の前払いです。ただし放置はできません。今年は7月15日(減額申請の期限)と7月31日(第1期の納付期限)という2つの締切があります。この記事で、自分が何をいつまでにやればよいかを整理してください。

この記事の要点まとめ

  • 対象は予定納税基準額が15万円以上の人。税務署から6月15日までに通知書が送られています
  • 第1期分は基準額の3分の17月31日までに納付
  • 今年の所得が減りそうなら減額申請を7月15日までに提出(書面またはe-Tax)
  • 納めすぎた分は、来年の確定申告で精算されて戻ってきます(損はしません)

予定納税とは?対象になるのはこんな人

予定納税は、前年の所得税額をもとに計算された「予定納税基準額」が15万円以上の人に義務づけられる、所得税の前払い制度です。フリーランス・個人事業主・不動産収入や副業収入が大きい会社員などが対象になりやすいですね。

対象者には税務署から6月15日までに通知書が届きます。金額はすでに税務署が計算済みなので、自分で計算し直す必要はありません。通知書の「予定納税基準額」欄を確認してください。制度の詳細は国税庁タックスアンサーNo.2040(予定納税)でも確認できます。e-Taxを利用している方は、書面ではなくメッセージボックスに通知が届いている場合があるので、そちらも確認してください。

「会社員なのに届いた」という方もいます。給与は年末調整で完結しますが、副業所得や不動産収入、株式・原稿料などの所得が大きいと、前年の申告納税額が15万円を超えて対象になることがあります。逆に、昨年開業したばかりで前年の申告実績が小さい方や、前年の税額が15万円未満だった方には届きません。

なお、基準額のもとになるのは前年分の申告納税額で、譲渡所得や一時所得のような臨時的な所得は原則除いて計算されます。「去年はたまたま大きな売却益があっただけなのに」という場合でも、基準額には反映されていないのが通常です。通知書の金額に明らかな違和感があるときは、所轄税務署に確認してください。

大事なポイント: 予定納税は「取られっぱなし」ではありません。来年の確定申告で年間の税額を計算し、前払いした分は差し引かれます。払いすぎていれば還付金として戻ります。還付金の受け取り時期はこちらの記事で解説しています。

いくら払う?計算方法と具体例

納める額はシンプルで、第1期・第2期にそれぞれ基準額の3分の1ずつです。残りは来年の確定申告で精算します。

予定納税基準額第1期(〜7/31)第2期(11月)
15万円5万円5万円
30万円10万円10万円
60万円20万円20万円

たとえば基準額が30万円なら、7月31日までに10万円を納付します。事業の入金サイクルによっては負担が大きい時期なので、今のうちに資金を確保しておいてください

精算のイメージも押さえておきましょう。基準額30万円の人が第1期・第2期で計20万円を前払いしたとします。来年の確定申告で計算した年間の所得税が25万円なら、納めるのは差額の5万円だけ。逆に年間の税額が15万円で済んだなら、払いすぎた5万円は還付されます。つまり予定納税で損をすることはなく、あくまで「払うタイミングが前倒しになる」制度です。怖がる必要はありませんが、資金繰りだけは計画的に、ということですね。

納付方法の比較表|手間と手数料で選ぶ

納付方法は複数あります。それぞれ特徴が違うので、比較表で確認してください。

方法手間注意点
振替納税手続き済みなら自動引き落とし口座残高を前日までに確認。新規は事前申込が必要
ダイレクト納付(e-Tax)オンラインで完結事前に利用届出が必要
インターネットバンキングオンラインで完結ペイジー対応の口座が必要
クレジットカード納付自宅で完結・分割も可決済手数料が別途かかります
スマホアプリ納付Pay系アプリで完結利用上限30万円
コンビニ納付(QR)近所で払える利用上限30万円。QRの事前作成が必要

すでに振替納税を利用している方は手続き不要ですが、7月31日の引き落とし日に残高が足りないと納付できなかった扱いになります。前日までに口座を確認してください。

まだ振替納税を使っていない方は、これを機に申し込んでおくのがおすすめです。一度「預貯金口座振替依頼書」を提出すれば、以後の所得税は自動引き落としになり、納付忘れのリスクそのものがなくなります。毎回コンビニや銀行に行く手間、QRコードを作る手間もゼロになるので、予定納税のように年に何度も納付機会がある人ほど効果が大きい方法です。

フリーランス1年目からの資金管理|「税金口座」を分けてください

白状すると、私自身もフリーランス1年目の7月、初めて通知書を受け取ったときに口座に第1期分の10万円がなく、月末の入金日まで冷や汗をかいたことがあります。金額そのものより「想定していなかった」ことがダメージでした。それ以来、売上が入るたびに25%を税金用の口座へ移す運用に変えてからは、納付で慌てたことは一度もありません。

予定納税で慌てる一番の原因は、税金分のお金を生活費や事業資金と同じ口座に置いていることです。対策はシンプルで、売上が入金されたら、その一定割合を税金専用口座に移すこれだけです。目安として売上の2〜3割を毎月よけておけば、7月・11月の予定納税も、来年3月の確定申告の納付も、同じ口座から淡々と払えます。

スケジュールで見ると、個人事業主の税金支出は7月末(予定納税1期)→ 11月末(同2期)→ 3月(確定申告の精算)と、ほぼ4か月おきにやってきます。この3つの日付を毎年のカレンダーに固定で入れておくと、「急に10万円の請求が来た」という感覚がなくなり、資金繰りのストレスが大きく減ります。

なお、個人事業主には所得税のほかにも住民税(6月から年4回)や消費税・国民健康保険料の支払いが重なります。税金専用口座を作るなら、これらもまとめて同じ口座で管理すると、年間の「税金の全体像」が一目で見えるようになります。

今年は所得が減りそう…そんな人は「減額申請」を7月15日までに

予定納税額は前年ベースで計算されています。今年の業況が悪い場合は、実態に合わせて減らせます。それが予定納税額の減額申請です。

要件は、6月30日時点の現況で見積もった今年の申告納税見積額が、通知された予定納税基準額より少なくなると見込まれること。廃業・休業・業況不振のほか、災害や多額の医療費支出なども理由になります。

たとえば昨年は売上1,000万円だった事業が、今年は主要取引先との契約終了で1〜6月の売上が昨年同期の半分になっているこのようなケースなら、年間の見積税額も基準額を下回る可能性が高く、減額申請を検討する価値があります。手順は次のとおりです。

  • ステップ1: 今年1〜6月の実績(売上・経費・各種控除)から年間の所得と税額を見積もる
  • ステップ2: 「予定納税額の減額申請書」に見積りの根拠を記載する(様式と記載要領は国税庁の減額申請手続ページから入手できます)。記載するのは今年の所得見積額とその内訳(売上・必要経費・所得控除)で、帳簿や売上台帳など見積りの裏付けになる資料を手元に揃えておくとスムーズです
  • ステップ3: 7月15日までに書面またはe-Taxで所轄税務署へ提出する

提出後、税務署が承認・一部承認・却下のいずれかを決定して通知します。承認されれば第1期の納付額がその分減ります。第2期分だけを減額したい場合は11月にも申請機会がありますが、第1期から減らしたいならこの7月の申請が唯一のチャンスです。

注意: 減額申請の期限(7/15)は納付期限(7/31)より2週間以上早いです。「納付の直前に考えよう」では間に合いません。所得が減っている自覚がある方は、今週中に見積りを始めてください。なお、期限までに納付しないまま放置すると延滞税が加算されます。資金繰りが厳しくて減額要件にも当てはまらない場合は、放置せず所轄税務署に納付の相談をしてください。

予定納税でよくある勘違い3つ

勘違い1:「二重に税金を取られている」違います。来年の確定申告で全額が精算される前払いです。年間で見た税負担は1円も増えません。

勘違い2:「どうせ確定申告で精算されるなら、今は払わなくていい」これが一番危険です。予定納税は法律上の納付義務で、期限を過ぎると精算を待たずに延滞税が発生します。「あとでまとめて」は通用しません。

勘違い3:「減額申請をすると税務署に目をつけられる」減額申請は法律で認められた正当な手続きで、毎年多くの人が利用しています。見積りの根拠を記載して期限内に出せば、承認・一部承認・却下のいずれかが淡々と通知されるだけです。要件に当てはまるのに遠慮して満額を払う必要はありません。

7月31日までのチェックリスト

最後に、今日から月末までにやることを時系列で確認してください。今週中(〜7/15)が減額申請の勝負どころ、それを過ぎたら納付の準備に集中する、という二段構えです。

  • 通知書の「予定納税基準額」と第1期の金額を確認した(e-Taxの人はメッセージボックスも確認)
  • 今年の所得見込みを概算し、減額申請の対象か判断した(対象なら7/15までに提出)
  • 納付方法を決めた(振替納税の人は口座残高を確認)
  • 納付資金を確保した(第2期・11月分も見越して)
  • 納付履歴・領収書類を保管した(来年の確定申告で精算に使います)

予定納税の負担感を下げる王道は、日ごろの節税です。ふるさと納税保険料控除・医療費控除を組み合わせて、年間の税額そのものを抑えていきましょう。

締切は減額申請が7月15日、納付が7月31日。この2つの日付だけは、カレンダーに今すぐ入れておいてください。11月の第2期と来年3月の確定申告まで含めた「税金の年間スケジュール」を一度作ってしまえば、来年からの予定納税は驚く相手ではなく、ただの定例行事になります。

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