老齢基礎年金の満額はいくら?2026年度の最新金額と受給条件 完全ガイド

「老齢基礎年金って、満額もらえるといくらになるの?」「自分は満額もらえる?」と気になっている方は多いでしょう。2026年度の老齢基礎年金は4年連続の増額となり、満額は月額70,608円(年額847,300円)に改定されました。本記事では、満額の最新金額、480ヶ月の納付条件、免除期間の影響、満額に届かない場合の救済策まで、2026年最新情報を完全ガイドします。

2026年度の老齢基礎年金「満額」はいくら?月額70,608円に増額

2026年度(令和8年度/2026年4月~2027年3月)の老齢基礎年金の満額は、月額70,608円・年額847,300円です。前年度から月額1,300円(年額15,600円)の増額で、4年連続のプラス改定となりました。改定率は基礎年金で+1.9%、厚生年金で+2.0%です。なお、1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの方は満額が月額70,408円(年額844,896円)と若干低く設定されています。

増額された年金額が初めて口座に振り込まれるのは、2026年6月15日の支給分(4月・5月分)からです。年金は2ヶ月分まとめて偶数月の15日に後払いされる仕組みのため、4月の改定がすぐに反映されるわけではない点に注意してください。

年度別 老齢基礎年金 満額の推移

年度月額年額改定率
2023年度66,250円795,000円+2.2%
2024年度68,000円816,000円+2.7%
2025年度69,308円831,696円+1.9%
2026年度70,608円847,300円+1.9%

4年連続で増額していますが、これは賃金・物価の上昇に対してマクロ経済スライド(▲0.2%)で調整された結果です。実質的な購買力では物価上昇率を下回るため、年金だけに頼った生活設計には注意が必要です。

満額を受け取る条件:480ヶ月(40年)の納付期間

老齢基礎年金の満額を受け取るには、20歳から60歳になるまでの40年間(480ヶ月)すべての保険料を納付している必要があります。1ヶ月でも未納や免除期間があれば、その分だけ満額から減額されます。

会社員として厚生年金に加入していた期間も、20歳以上60歳未満の部分は国民年金の納付済期間としてカウントされます。逆に、就職前や転職の合間に未納期間があると、その分は満額に反映されません。

なお、老齢基礎年金を受け取るための受給資格期間は10年(120ヶ月)以上です。2017年8月以前は25年必要でしたが、現在は10年に短縮されています。ただし、10年だけでは満額の4分の1しかもらえません。

老齢基礎年金の計算式と納付月数別の早見表

老齢基礎年金の基本計算式は次の通りです。

年金額 = 847,300円 ×(保険料納付済月数 + 免除月数の反映分)÷ 480ヶ月

たとえば未納や免除期間がなく360ヶ月(30年)納付した方は、847,300円 × 360 ÷ 480 = 635,475円(月額約52,956円)となります。

納付月数別 受給額早見表(2026年度・免除なしの場合)

納付月数年間受給額月額換算満額比率
480ヶ月(40年)847,300円70,608円100%
420ヶ月(35年)741,388円61,782円87.5%
360ヶ月(30年)635,475円52,956円75%
300ヶ月(25年)529,563円44,130円62.5%
240ヶ月(20年)423,650円35,304円50%
180ヶ月(15年)317,738円26,478円37.5%
120ヶ月(10年・最低)211,825円17,652円25%

受給資格を満たす最低ライン(10年)では満額の4分の1しかもらえません。生活費を考えると、できる限り480ヶ月に近づける努力が重要です。

免除・未納期間がある場合の年金額への影響

保険料免除を受けた期間は、免除の種類によって年金額への反映率が異なります。2009年4月以降は国庫負担割合が3分の1から2分の1に引き上げられたため、反映率も改善されています。

免除種別 年金額への反映率(2009年4月以降の期間)

免除区分反映率120ヶ月免除時の影響額
全額免除1/2(50%)満額から▲105,913円/年
3/4免除(1/4納付)5/8(62.5%)満額から▲79,434円/年
半額免除(1/2納付)3/4(75%)満額から▲52,956円/年
1/4免除(3/4納付)7/8(87.5%)満額から▲26,478円/年
未納0%満額から▲211,825円/年

注意点として、一部免除の承認を受けたのに減額後の保険料を納めていない期間は「未納扱い」になります。一部免除を受けたら必ず減額分の保険料を納付してください。なお、学生納付特例・納付猶予の期間は受給資格期間には含まれますが、追納しない限り年金額には1円も反映されません。

満額に届かない人の救済策:60歳からの任意加入制度

60歳までの納付月数が480ヶ月に届かない方は、60歳から65歳までの間に「国民年金任意加入制度」を利用して保険料を納付できます。これにより満額に近づけることが可能です。

任意加入の対象者は、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の方で、厚生年金等に加入していない方、そして20歳~60歳までの納付月数が480ヶ月未満の方です。月額保険料は2026年度で17,510円程度(年度ごとに改定)で、5年間フル加入すると最大105万円程度の納付になります。

たとえば60歳時点で納付月数が420ヶ月(35年)の方が60ヶ月任意加入すると、年金額は約105,913円増えます。10年で元が取れる計算なので、平均寿命まで生きれば確実にプラスとなる仕組みです。

また、受給資格期間(10年)を満たしていない65歳以上70歳未満の方も「特例任意加入」で受給資格を確保できます。手続きはお住まいの市区町村役場または年金事務所で行います。

学生納付特例・納付猶予期間の追納で満額に近づける

学生時代に納付特例を利用した期間や、若い頃に納付猶予を受けた期間は、10年以内であれば追納できます。追納した期間は満額計算に算入されるため、若いうちに追納するほど将来の年金額が増えます。

注意点は、3年度目以降に追納する場合、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされることです。たとえば10年前の保険料を追納する場合、年5%程度の加算がつくため、できるだけ早めの追納が経済的にも有利です。

追納は年金事務所への申込書提出が必要で、納付書が発行されます。一括納付も分割納付も可能で、確定申告では追納した保険料が社会保険料控除として全額所得控除されるため、所得税・住民税の節税効果もあります。

満額未満でも上乗せ:年金生活者支援給付金(月5,620円)

所得が一定基準以下の年金受給者には、年金生活者支援給付金が上乗せ支給されます。2026年4月から+3.2%増額され、老齢年金生活者支援給付金は月額5,620円(年額67,440円)となりました。

対象者は、65歳以上の老齢基礎年金受給者で、本人および世帯全員が住民税非課税、前年の公的年金等の収入と所得の合計が約88万円以下の方です。納付済期間が短い方ほど給付額が大きくなる仕組みで、最大で月額5,620円が年金に上乗せされます。

注意点は申請しないと受け取れないことです。日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」を返送するか、年金事務所で手続きする必要があります。申請が遅れても遡って支給されないので、対象になりそうな方は早めに確認しましょう。

ねんきんネット・ねんきん定期便で満額をシミュレーションする方法

自分が今どれだけ満額に近いか、将来いくらもらえるかを確認する最も簡単な方法は「ねんきんネット」です。マイナポータルと連携すれば、24時間いつでもパソコンやスマホから自分の年金記録を確認できます。

ねんきんネットでは次の3つが確認できます。(1)これまでの保険料納付実績の月数(2)未納・免除・特例期間の内訳(3)将来受け取れる年金見込額のシミュレーションです。「年金見込額試算」機能を使えば、現在の状況で65歳から受給した場合の金額、繰上げ・繰下げ受給を選んだ場合の金額、任意加入や追納をした場合の金額まで細かく試算できます。

毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」でも納付実績は確認できますが、ハガキ形式は直近1年分の情報のみです。35歳・45歳・59歳の節目年齢では封書形式で全期間の記録が送られてくるため、必ず保管しておきましょう。万一、納付したはずなのに記録漏れがあった場合は、年金事務所で「記録の訂正請求」が可能です。早めの確認が満額確保への第一歩です。

65歳開始 vs 繰下げ受給:満額をさらに増やす選択肢

老齢基礎年金は原則65歳から受給開始ですが、繰下げ受給を選ぶと1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額されます。最大75歳まで繰り下げると84%の増額となり、満額(月額70,608円)が月額129,919円まで増えます。

逆に、60歳から65歳までの間に繰り上げ受給を選ぶこともできます。2022年4月以降に60歳になった方は、1ヶ月早めるごとに0.4%減額(最大24%減)となります。60歳から受給すると月額70,608円が月額53,662円に減るため、長生きする方は損になる可能性があります。

繰下げ・繰上げの損益分岐点や注意点については、年金繰下げ受給の損益分岐ガイドで詳しく解説しています。満額を確保した上で、自分の健康状態や家計を踏まえて受給開始年齢を選びましょう。また、私的年金との組み合わせ戦略はiDeCoの受け取り方比較を、年金受給開始後の住民税については住民税決定通知書の見方もあわせてご確認ください。

まとめ:2026年度の満額70,608円を目指す3つの行動

2026年度の老齢基礎年金の満額は月額70,608円・年額847,300円と、4年連続の増額となりました。満額を受け取るには480ヶ月の納付が必要で、未納や免除期間があると減額されます。今すぐできる3つの行動は次の通りです。

  1. ねんきんネットで納付実績を確認:自分の納付月数と見込み年金額を把握する
  2. 未追納の特例期間を確認:10年以内であれば追納して満額に近づける
  3. 60歳時点で480ヶ月未満なら任意加入を申請:65歳までに最大60ヶ月上乗せ可能

満額に届かない場合でも、任意加入・追納・年金生活者支援給付金など複数の救済策があります。65歳になってから慌てないよう、今のうちからシミュレーションして対策を始めることが、安心の老後への第一歩です。

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