ねんきん定期便が届くたびに、封を開けるのが怖い。数字を見ても「これ、月額?年額?」とピンとこない。
先日、自分のねんきん定期便をちゃんと読んでみたら、65歳から受け取れる年金額は月約14万円だった。正直、思っていたより少ない。家賃と食費で消える金額だ。
でも、年収や加入期間によって年金額はかなり変わる。早見表で自分の数字を把握しておけば、足りない分をどう埋めるか具体的に考えられる。
この記事の要点
- 2026年度の国民年金(老齢基礎年金)満額は月70,608円
- 厚生年金は年収300万円で月約12.5万円、年収600万円で月約18万円
- 繰り下げ受給で70歳なら42%増、75歳なら84%増
- ねんきんネットで自分の正確な見込額がすぐ確認できる
2026年度の年金額、結局いくらもらえるのか
まず大前提。日本の年金は「2階建て」だ。
1階部分が国民年金(老齢基礎年金)。自営業でも会社員でも、20歳から60歳まで40年間納めれば満額もらえる。2026年度の満額は月70,608円(年847,300円)。前年度から月1,300円の増額で、4年連続の引き上げになった。
2階部分が厚生年金。会社員や公務員が上乗せでもらえる分。こっちは年収と加入期間で金額が大きく変わる。
年収別の年金早見表(2026年度版)
「自分の年金がいくらもらえるか」を知りたいなら、この早見表が一番手っ取り早い。厚生年金40年加入を前提に、生涯平均年収別の月額受給額を計算した。
| 生涯平均年収 | 厚生年金(月額) | 基礎年金(月額) | 合計(月額) | 合計(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約54,800円 | 70,608円 | 約125,400円 | 約150.5万円 |
| 400万円 | 約73,100円 | 70,608円 | 約143,700円 | 約172.4万円 |
| 500万円 | 約91,400円 | 70,608円 | 約162,000円 | 約194.3万円 |
| 600万円 | 約109,600円 | 70,608円 | 約180,200円 | 約216.3万円 |
| 700万円 | 約127,900円 | 70,608円 | 約198,500円 | 約238.2万円 |
| 800万円 | 約146,200円 | 70,608円 | 約216,800円 | 約260.1万円 |
計算式は「平均年収÷12×0.005481×加入月数(480ヶ月=40年)」。日本年金機構の公式ページにも2026年度の改定額が載っている。
年収500万円の人で月約16万円。夫婦2人なら合算で月25万〜30万円くらいになるけど、住宅ローンが残っていたり介護費用がかかったりすると、けっこうギリギリだ。
加入期間が40年に届かないとき
転職で空白期間があったり、学生時代に未納があったりすると、40年に届かない人も多い。
基礎年金は加入月数に比例する。たとえば35年(420ヶ月)なら、満額の87.5%で月約61,782円。5年分の未納で月8,826円も減る。年間だと105,912円の差。これは大きい。
厚生年金も同じで、加入期間が短ければその分だけ受給額は減る。上の早見表は40年加入を前提にしているので、自分の加入期間に合わせて按分してほしい。
繰り下げ・繰り上げで年金額はこう変わる
65歳で受け取らず、受給開始を遅らせると年金が増える。これが「繰り下げ受給」。
1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額。5年遅らせて70歳から受け取ると42%増、最大75歳まで遅らせれば84%増になる。
逆に60歳から早くもらう「繰り上げ受給」は、1ヶ月あたり0.4%減額。60歳0ヶ月で受け取り始めると24%減だ。
| 受給開始年齢 | 増減率 | 月額の例(年収500万円) |
|---|---|---|
| 60歳 | -24.0% | 約123,100円 |
| 63歳 | -9.6% | 約146,400円 |
| 65歳(通常) | 0% | 約162,000円 |
| 68歳 | +25.2% | 約202,800円 |
| 70歳 | +42.0% | 約230,000円 |
| 75歳 | +84.0% | 約298,100円 |
70歳まで繰り下げると月23万円。これなら生活費としてかなり心強い。ただし、繰り下げ中に亡くなると受け取り損ねるリスクもあるので、健康状態と相談しながら判断したい。
ねんきん定期便で自分の金額を確認する方法
早見表はあくまで目安。正確な金額を知りたいなら、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認するのが確実だ。
ハガキ型の定期便で見るべきは「老齢年金の種類と見込額」の欄。50歳以上なら、今の条件で60歳まで加入した場合の見込額が記載されている。
もっと細かく条件を変えてシミュレーションしたいなら、厚生労働省の公的年金シミュレーターが便利。ねんきん定期便の二次元コードを読み取るだけで、自分のデータが反映される。転職や退職した場合の試算もできる。
年金額を増やすために今からできること
「足りない」と思ったら、打ち手は3つある。
1. 繰り下げ受給を検討する
先ほどの表の通り、70歳まで待てば42%増。健康に自信があって、他の収入源で65歳〜70歳を乗り切れるなら、最も効率がいい方法。
2. iDeCo(個人型確定拠出年金)を使う
毎月の掛金が全額所得控除になるから、節税しながら老後資金を積み立てられる。会社員なら月12,000円〜23,000円の拠出枠がある。
3. 付加年金に加入する(自営業・フリーランス)
月400円の追加保険料で、受給時に「納付月数×200円」が上乗せされる。2年で元が取れるので、自営業の人は入っておいて損はない。
退職して国民年金に切り替えた人は、国民年金の免除申請も忘れずに。免除期間中は受給額が減るけど、後から追納すれば満額に近づけられる。
年金額アップのチェックリスト
- ねんきん定期便で現在の見込額を確認した
- ねんきんネットまたは公的年金シミュレーターで試算した
- 未納期間がないか確認した(あれば追納を検討)
- 繰り下げ受給のメリット・デメリットを理解した
- iDeCoまたは付加年金の加入を検討した
よくある質問
年金はいくらもらえるか、一番簡単に調べる方法は?
ねんきん定期便のハガキを見るのが一番早い。50歳以上なら見込額が記載されている。もっと細かく知りたければ、厚生労働省の公的年金シミュレーターに二次元コードを読み込ませれば、年収や退職時期を変えた試算ができる。
専業主婦(第3号被保険者)の年金はいくら?
専業主婦は厚生年金に加入していないため、基礎年金のみ。40年間第3号被保険者だった場合、2026年度の満額は月70,608円。年間で約85万円になる。
年金だけで生活できる?
厚生年金を含めた平均受給額は月約14.7万円。単身で家賃が安い地域なら何とかなるけど、都市部で家賃を払いながらだと厳しい。住民税を安くする方法なども含めて、支出を減らす工夫と組み合わせるのが現実的。
まずやるべきことは1つ。ねんきん定期便を引っ張り出して、自分の年金見込額を確認すること。数字が見えれば、不安は「対策」に変わる。