3月末に会社を辞めた翌月、届いた国民年金の納付書を見て固まりました。月17,920円。年間で214,940円。
退職して収入ゼロなのに、この金額を毎月払い続けるのかと。
結論から言うと、退職した人は「特例免除」という制度を使えば、前年の所得に関係なく保険料が全額免除になります。私はこれを知らずに3ヶ月分(53,760円)を普通に払ってしまいました。
この記事の要点
- 退職者は前年所得に関係なく国民年金の全額免除を申請できる(退職特例免除)
- 申請先は住所地の市区役所か年金事務所。マイナポータルからオンライン申請も可
- 全額免除でも将来の年金は半額分(国庫負担分)がもらえる。ゼロにはならない
- 10年以内なら「追納」で満額に戻せる
退職特例免除って何?普通の免除と何が違うのか
国民年金の免除申請には、通常の「所得審査による免除」と「退職特例免除」の2種類があります。
通常の免除は、本人・配偶者・世帯主の前年所得が基準以下じゃないと通りません。つまり、前年まで会社員として普通に稼いでいた人は、退職直後でも「前年の所得が高い」と判定されて免除が却下されます。
ここで使えるのが退職特例免除。失業した事実があれば、本人の前年所得を審査から除外してくれるんです。配偶者と世帯主の所得だけで判定されるので、単身者や配偶者の収入が低いケースならほぼ確実に全額免除が通ります。
免除の4段階と将来もらえる年金額
「免除されたら将来の年金が減るんでしょ?」と心配する人は多いです。確かに減ります。でも、ゼロにはなりません。
国民年金には国庫負担(税金)が半分入っているので、全額免除でも将来の年金の2分の1はもらえる計算です。
| 免除の種類 | 毎月の保険料 | 将来の年金に反映される割合 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 0円 | 1/2(国庫負担分のみ) |
| 3/4免除 | 4,480円 | 5/8 |
| 半額免除 | 8,960円 | 6/8 |
| 1/4免除 | 13,440円 | 7/8 |
| 全額納付 | 17,920円 | 満額 |
具体的な金額で見てみます。2026年度の満額は月70,608円(年間約84.7万円)。仮に3年間全額免除を受けた場合、40年のうち37年が全額納付・3年が全額免除だと、年金額は年間約80.5万円。満額との差は年間約4.2万円です。
月にすると約3,500円の減額。正直、退職中に毎月17,920円払い続けるよりはるかに合理的だと感じました。
申請に必要なもの一覧
窓口に行く前に、書類が足りなくて出直す人がけっこういます。私も1回やりました。
持ち物チェックリスト
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)
- 雇用保険被保険者離職票のコピー(会社から届くもの)
- または雇用保険受給資格者証のコピー(ハローワークで発行)
- 印鑑(認印でOK)
実際の申請手順を3つのルートで解説
ルート1:市区役所の窓口に行く(一番確実)
住んでいる市区町村の役所に行って「国民年金の免除申請をしたい」と伝えるだけです。国民年金の担当窓口に案内されます。
申請書は窓口でもらえるので、事前にダウンロードしなくても大丈夫。離職票を見せながら記入すれば、職員さんが確認してくれます。
所要時間は空いていれば15分ほど。3月末〜4月は退職者が集中するので、午前中の早い時間帯がおすすめです。
ルート2:年金事務所に行く
最寄りの年金事務所でも同じ手続きができます。役所より専門的な相談ができるので、「自分が免除の対象になるか不安」という人はこちらが向いています。
ルート3:マイナポータルでオンライン申請
マイナンバーカードがあれば、スマホからでも申請できます。マイナポータルにログインして「年金」→「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き」を選択。画面の案内に従って入力すれば完了です。
ただし、退職特例免除の場合は離職票のコピーの添付が必要です。スマホで撮影してアップロードする形になるので、画像が不鮮明だと差し戻される場合も。確実にいきたいなら窓口がおすすめです。
申請書の書き方で迷うポイント
申請書の記入で一番つまずくのが「離職日の翌日」の欄。3月31日に退職した場合は「4月1日」と書きます。退職日ではなく翌日なので注意。
もう1つ迷うのが「雇用保険の加入」欄。会社に正社員として勤めていた人はほぼ全員「あり」に丸。パート・アルバイトでも週20時間以上働いていたなら「あり」です。
免除が承認されたあとに知っておくべきこと
追納で満額に戻せる(10年以内)
転職して収入が安定したら、免除期間の保険料を後から払える「追納」制度があります。10年以内なら追納できるので、余裕ができたタイミングで検討すればOK。
ただし、免除から3年以上経つと加算額(利息のようなもの)が上乗せされます。追納するなら2年以内が一番お得です。
免除と「未納」はまったく別物
これは本当に大事なポイント。申請せずに保険料を払わないのは「未納」。免除申請して承認されたら「免除」。
未納期間は年金の受給資格期間(10年)にカウントされません。障害年金や遺族年金の受給条件にも影響します。免除期間はしっかり受給資格期間に入ります。
よくある質問
Q. 退職してから14日以上経ってしまったけど、免除申請はできる?
できます。14日以内というのは国民年金への加入届出の期限。免除申請自体は退職月の前月から翌々年6月まで受け付けています。届出が遅れたことによる罰則も実務上ほとんどありません。
Q. 配偶者がパートで年収130万円以上あると免除は通らない?
退職特例免除では、本人の所得は審査から外れますが、配偶者と世帯主の所得は審査対象です。配偶者の年収が高い場合、全額免除ではなく一部免除(3/4や半額免除)になることがあります。
Q. 免除期間中に再就職したらどうなる?
再就職して厚生年金に加入した時点で、国民年金の免除は自動的に終了します。特に届出は不要です。
退職して手続きが山ほどある中で、年金の免除申請は後回しにしがちです。でも、知らずに毎月17,920円を払い続けるのと、15分の手続きで年間214,940円が免除されるのと、どちらを選ぶかは明らかです。離職票が届いたら、その足で役所に行ってください。