国民健康保険料が高すぎる…年4万円安くした7つの方法

退職して初めて届いた国保の通知書を見たとき、目を疑いました。月38,000円。会社員のときは毎月15,000円だったのに、倍以上です。

「計算ミスじゃないか」と区役所に電話しましたが、間違いなくこの金額だと。しかも翌年はもっと上がるかもしれないと言われました。

そこから必死で調べて、実際に年間4万円以上の減額に成功した方法をまとめます。

この記事の要点

  • 国保が高い理由は「全額自己負担+前年所得ベース」の二重構造
  • 年収300万円で月約27,000円、年収500万円で月約45,000円が目安
  • 減額・免除制度は申請しないと適用されない
  • 2026年度は上限額が110万円に引き上げ(5年連続)

国保がこんなに高い3つの理由

会社員の健康保険は、会社が半分負担してくれます。月30,000円の保険料なら、自分の給与から引かれるのは15,000円だけ。

国保にはこの仕組みがありません。全額自分で払います。

しかも国保は「前年の所得」で計算されます。退職した年は前年の会社員時代の給料がベースになるので、収入がゼロでも保険料は高いまま。ここでみんな驚くわけです。

国保の計算式はこうなっている

国保は3つの要素で計算されます。

区分内容対象者
医療分所得割+均等割全員
後期高齢者支援金分所得割+均等割全員
介護分所得割+均等割40〜64歳のみ

「所得割」は前年の所得に保険料率をかけた金額。「均等割」は所得に関係なく1人いくらと決まっています。

保険料率も均等割の金額も自治体ごとに違います。同じ年収でも、住んでいる場所で年間数万円の差が出ることも。

年収別の保険料目安(40歳未満・単身)

「自分はいくら払うのか」が気になりますよね。東京都新宿区の2025年度を例に、目安をまとめました。

年収年間保険料月額目安
200万円約157,000円約13,000円
300万円約331,000円約27,600円
400万円約430,000円約35,800円
500万円約540,000円約45,000円
600万円約650,000円約54,200円

年収500万円で月45,000円。家賃と同じくらいの金額を保険料に払っている人もいます。

自治体で大きな差 同じ年収400万円でも、自治体によって年間5万円以上の差があります。お住まいの自治体のホームページでシミュレーションを確認してください。

国保を安くする7つの方法

ここからが本題です。実際に使えるものを優先度順に並べました。

1. 減額・免除制度を申請する

これを知らない人が本当に多い。退職や収入激減で国保が払えないとき、市区町村に申請すれば保険料を減らしてもらえる制度があります。

減額の幅は所得に応じて7割・5割・2割の3段階。たとえば7割減額なら、均等割が年間60,000円の自治体で42,000円も安くなります。

申請しないと適用されない 減額・免除は自動適用ではありません。自分から窓口に行って申請する必要があります。「知らなかった」で何万円も損している人がたくさんいます。

2. 家族の扶養に入る

配偶者や親が会社員なら、その社会保険の扶養に入ることで国保をゼロにできます。条件は年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)。

フリーランスで収入が安定しない人は、年収130万円を超えないように調整する選択肢もあります。扶養に入れば国保どころか年金も免除されるので、インパクトはかなり大きい。

3. 青色申告で課税所得を下げる

個人事業主なら青色申告の特別控除が使えます。最大65万円を所得から差し引けるので、国保だけでなく所得税・住民税もまとめて安くなります。

65万円の控除を受けるには、複式簿記+e-Tax申告が必須。会計ソフトを使えば複式簿記は難しくありません。年間1万円程度のソフト代で、保険料が数万円減るなら十分元が取れます。

4. 経費を正しく計上する

国保の所得割は「売上−経費−控除」がベース。経費が増えれば所得が減り、保険料も下がります。

家賃の一部(事業使用分)、通信費、交通費、書籍代、研修費など、見落としがちな経費はたくさんあります。「これは経費になるのかな」と迷ったら、国税庁のサイトで確認してみてください。

5. 国民健康保険組合に加入する

建設業、美容業、医師、文芸など特定の業種には「国保組合」があります。市区町村の国保より保険料が安くなるケースが多いです。

国保組合は所得に関係なく定額制のところが多いので、年収が高くなるほどメリットが大きくなります。自分の業種に国保組合があるか調べてみる価値はあります。

6. 世帯分離を検討する

国保は世帯単位で計算されます。親と同居している場合、世帯を分けることで保険料が変わることがあります。

ただし、世帯分離にはデメリットもあるので慎重に。市区町村の窓口で「世帯を分けたら保険料はいくらになりますか」と事前に聞くのがいちばん確実です。

7. 法人化する

年収が700万円を超えるあたりから、法人化して社会保険に入ったほうが安くなるケースが出てきます。役員報酬を低く設定すれば、社会保険料を抑えられるからです。

法人化にはコストもかかるので、税理士に相談して試算してもらうのがベスト。「節約額−法人維持費」がプラスになるかどうかがポイントです。

退職直後の人へ — 任意継続と国保どっちが安い?

会社を辞めたら「任意継続」か「国保」かの2択を迫られます。退職日から20日以内に決めないといけないので、焦ります。

比較項目任意継続国民健康保険
保険料計算退職時の標準報酬月額ベース前年の所得ベース
扶養制度あり(追加料金なし)なし(人数分加算)
加入期間最長2年制限なし
有利な年収帯500万円以上400万円以下

ざっくり言うと、扶養家族がいるなら任意継続、単身なら国保が安くなる傾向があります。

ただし、退職後に収入が大幅に下がるなら国保のほうが有利です。国保は翌年から所得が反映されて保険料が下がりますが、任意継続は2年間ほぼ固定だからです。

退職前に会社の健保組合に「任意継続の保険料はいくらになりますか」と確認しておくと、比較しやすくなります。退職後の健康保険の切り替えについては、退職後の健康保険切り替え手続きでくわしくまとめています。

減額・免除の申請、実際やってみた手順

「申請って面倒そう」と思うかもしれません。実際に区役所で手続きしてみたら、30分もかかりませんでした。

必要なもの

申請に持っていくもの

  • 国民健康保険証(マイナ保険証でもOK)
  • 所得がわかる書類(確定申告書の控え、源泉徴収票など)
  • 退職の場合は離職票または退職証明書
  • 身分証明書(マイナンバーカードなど)
  • 印鑑(自治体による)

申請の流れ

市区町村の国民健康保険窓口に行って「保険料の減額(または免除)について相談したい」と伝えるだけです。職員さんが所得を確認して、減額が使えるかその場で教えてくれます。

申請が通れば、翌月以降の保険料に反映されます。さかのぼっての適用ができる場合もあるので、「もう数ヶ月払ってしまった」という人も諦めずに相談してみてください。

期限に注意 減免申請は、減免を受けたい月の保険料の納期限までに行う必要があります。後回しにすると申請できる期間が短くなるので、通知書が届いたらすぐ動くのがベストです。

2026年度の国保上限引き上げ — 何が変わる?

2026年度から、国保の上限額が109万円から110万円に引き上げられました。5年連続の引き上げです。

内訳は医療分の上限が66万円から67万円に1万円アップ。後期高齢者支援金分と介護分は据え置きです。

上限に引っかかるのは年収800万円以上くらいからなので、ほとんどの人には直接的な影響はありません。ただ、毎年少しずつ上がっている流れは気になるところです。

住民税の負担が気になる方は、住民税を安くする5つの方法も参考にしてください。

よくある質問

国保は払わないとどうなる?

滞納すると短期保険証→資格証明書に切り替わり、医療費がいったん全額自己負担になります。最終的には財産差し押さえもありえます。払えないときは滞納する前に減免の相談を。

国保と社保、どっちが安い?

同じ年収なら社保(会社の健康保険)のほうが安いです。会社が半分負担してくれるうえ、扶養家族の追加料金もかからないからです。

国保の保険料はいつ届く?

多くの自治体で6月〜7月に「国民健康保険料決定通知書」が届きます。届いたら金額を確認して、高いと感じたらすぐに減額の相談に行ってください。

マイナ保険証になっても保険料は変わる?

マイナンバーカードを保険証として使っても、保険料自体は変わりません。マイナ保険証は「保険証の形式」が変わるだけで、保険料の計算には影響しません。

国保の通知書を見て「高すぎる」と思ったら、まずお住まいの市区町村の国保窓口に減額の相談をしてみてください。申請するだけで年間数万円変わることがあります。

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